「日本セミの会」について

<日本セミの会とは>
『 日本セミの会  Japan Cicada Club 』 は,1978 年10 月 1 日に創立したセミの同好会です。専門学者から小学生に至るまで自由に入会することができ,セミの愛好者・研究者で組織され,セミおよび近縁の昆虫に関するあらゆる研究の促進,ならびに正しい知識の普及を図ることを目的としています。学術的な研究はもとより,いずれにしてもセミを愛し,セミを通して自然に親しむことを目的とする会ですので,コレクターのための単なる採集案内等を避け,乱獲や,調査と称して発生地を荒らすなどの悪質な行為は,本会の最も戒めるところです。

<会の沿革>
昆虫研究家・加藤正世氏は,1930 年に名著『趣味の昆蟲採集』を著し,1932 年には 「昆蟲趣味の会」 を組織して 『昆蟲界』 という機関誌を発行するなど,昆虫学の普及・啓蒙につとめられました。加藤氏の専門はセミであり,日本のセミ学をスタートさせ,分類・記載・命名などをはじめとした,その基礎を築かれる多くの業績を上げられました。当然のことながら,セミに興味を持つ人々の育つ日本の土壌もそこに自然に醸成されました。その中から出た橋本洽二をはじめとした何人かを中心に,加藤博士歿後 11 年の 1978 年に,「日本セミの会」 が結成されるに至ったのです。加藤正世先生から始まった日本のセミ学が本会に引き継がれ,さらなる発展をしつつあります。

<会の事業>
【 会報(機関誌)の発行 】
現在,日本セミの会が行っている主な事業としては,会報 CICADA (日本セミの会々報 Transactions of the Japan Cicada Club)の発行と談話会の開催があります。1978 年 12 月に創刊した会報 CICADA は,B5 版 16 ページ,1 volume(年度)あたり 4 回発行を原則としていましたが,Vol. 21 からは各号 32 ページの 2 回発行に変更しました。2018 年 6 月現在,Vol. 24, No. 2 まで発行し,創刊以来の総ページ数は約 1,750 ページ(タイトル数は約 850)となります。多くの写真が掲載されるので,用紙には創刊号からアート光沢紙を使用しています。従来はコストの面で写真をカラーにすることはほとんどできませんでしたが,印刷事情の変化に伴って写真(一部)をカラー印刷する機会(カラー号)が増え,Vol. 20 以降はすべてカラー号としています。
会報の内容としては分類・形態・分布・生態など,各分野に関するオリジナルの報文や解説を主体とし,会員は定められた規定に従って自由に投稿できますが,詳しい採集地案内のような記事は,本会の趣旨にそぐわないものとして掲載していません。また,必ずしも対象はセミ上科に限定しておらず,近縁のアワフキムシやツノゼミなども対象とし,かつて CICADA で 「ツノゼミ特集号」 を発行したこともあります。会の印刷物としては会員用の連絡紙として 「蟬の塔」 がありましたが,諸般の事情によって 2003 年10 月発行の No. 39 を最後に休刊中です。なお,休刊後は連絡紙の内容は会報に掲載しています。
 【 談話会の開催 】
談話会は今まで 89 回開催しましたが,ほとんどは東京付近(東京都,埼玉県)で開催され,関東以外で開かれたのは 8 回のみです(大阪 6 回,神戸・名古屋各 1 回)。談話会は 年 2 回のペース( 6~7 月と11~12 月の土曜午後)で東京で定期的に開催されており,毎回 20~30 名ほどが参集し,テーマ講演の他,一人一人が近況や計画を述べ,プロジェクターを交えてのレクチャーや報告(話題提供)が行われ,それに対して自由に意見を述べ合います。会員同士が,日ごろの成果や疑問を持ち寄り,興味深い情報交換をするなど貴重な時間です。なお,東京(関東)以外での談話会は不定期的に開催されています。

<会 員>
現在の会員数は約 190 名で,日本全国にわたっています(団体会員 3 名,海外会員 4 名)。しかし,事務局の所在地にも関係してか,関東地方の会員がもっとも多く約半数を占め,次いで近畿地方の会員が多い現状です。多くは,県あたり 1~3 名ですが,残念ながら,秋田県・群馬県・福井県・和歌山県・岡山県・高知県・佐賀県・大分県・熊本県の会員はいません (2018 年 6 月 10 日現在)。